大船渡訪問(慰問演奏・下調べ)

大船渡訪問(慰問演奏・下調べ)

鎮魂の献花(大船渡岩壁にて)


 去る、6月に挙行された浜フィル”名曲コンサート”の際、聴衆にお願いし東日本大震災に対して、浜フィルとして、何らかの慰問コンサートを開きたい旨のご挨拶をし、募金をお願いしたところ、12万円余のお金を聴衆のみなさんから頂きました。以来どのようにこのお金を使うか、検討してまいりましたが、結論として一番弱い立場にいる、介護老人を対象としたいと言うことに焦点を絞ることにいたしました。

 しかし、現地の様子も分からず、演奏者の方からは”自分たちもそのような活動をしたいと申し出ても、施設側ではいろいろ準備したり手間が大変で、対応できないと断られるケースが多いと聞かされました。そこでいっそのこと普通の募金機関に寄付をしてしまおうと考えましたが、最近のテレビ放送などを通じ、被災地では今は”もの”よりも”こころ”の支援が必要になっていると聞き、一度現地を訪ねてこの目で確かめようと決意し、昨日(12月25日)大船渡に出かけました。

 大船渡を選んだのは、私の住む浜松市が、大船渡支援に焦点を絞っているため、同調したいと考えたからです。浜松で大船渡支援の橋わたしをしている方のご縁で或る老人介護施設の紹介をいただき、何の前触れもなく出かけました。つまり年内はこの日しか都合がつかず、却って前もって連絡して都合が悪いと言われると出鼻をくじかれそうなので、最悪建物だけでも見れたらと言うことと、私個人としても今年中に、海に散った方々への鎮魂の祈りを捧げたいと言うことがあって、強引に訪問することに決めました。


大船渡訪問(慰問演奏・下調べ)

介護施設のホール

 件の施設を訪ねてみると、30年以上の歴史がある、充実感がある施設で、一般の老人介護施設のほかに老人の盲人用の施設、デイサービスなど多彩なサービスをされており、大船渡の高台にある津波にはびくともしない小高い山の上にありました。

 担当の課長さんは突然の訪問のお詫びをし、来意をお話ししたところ、”そういうお話なら大歓迎”と言ってホールなど(上の写真)施設内を案内され、いつ演奏会を開いてもらえるのかと聞かれた。私はこれから浜フィル登録団員に声をかけ有志を集めてお返事をしたいとお伝えし、ここから始めようと決意した。

 浜フィルで開催しているいわゆる非可聴音を含むSACD(スーパーオーディオ)コンサートを通じ非可聴音に対する脳活性効果はかなり顕著であるという結果から、生演奏はさらに老人の脳活性に有効だと考えています。これはストレス社会にあって、今後重要な位置を音楽演奏者に与えるものと信じています。それを実証していきたいと考えています。

大船渡訪問(慰問演奏・下調べ)

 今後の活動に見通しが立ち、明るい気持ちで海に向かった。途中のスーパーで浜束を調達し、海に出かけた。この岸壁は、豪華客船”飛鳥”が数万トンの巨体を横付けできるところだそうです。そういえば世界遺産に指定された”金色堂”や松島、瑞巌寺など船旅に彩りを加える観光地が近い。途中陸に上がった船(上の写真)や、津波に破壊された家屋(下の写真)に出合った。

大船渡訪問(慰問演奏・下調べ)

 岸壁で”祈り”と”献花”した後、近くの津波により町が消えた後の更地に浜松の有志が支援して出来た仮設の”大船渡屋台村”に立ち寄った。(下の写真)まだ昼少し前で、人影はなくものすごい冷たい風が吹きまくり早々に引き揚げた。そのかわり気仙沼にある同じような屋台村で昼食をとった。

大船渡訪問(慰問演奏・下調べ)

 余談として、この日案内をしてもらったタクシーが所属する会社から、帰宅早々に電話があり、私が支払いの時1万円余分に渡したようだと連絡があり、新札のため重なっていたものらしかった。それを返金したいという電話であった。そういえばそのような気もし有難く返していただくことにした。そして今朝早く(7時ごろ)その運転手さん自身からも不注意で有ったというわびの電話を頂いた。不注意はこちらで有ったのに、いまどきなんという誠意のあるタクシーかと心温まる思いとともに、これだから東北は強いと思った。我々が失ったものをまだ持っている。東北の方とお付き合いを深めて、自分の心を磨きなおしたいと思った。

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献花する家内




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