ITロボット塾第二章 塾経営の経過

福地さんの塾経営の経験もあって、ロボット塾の立ち上がりは極めて順調でありました。私は当然福地さんが社長をやるものと考えていましたが、福地さんが現在経営している会社、CIAメディア社が東京の親会社の下請けの立場にあり、別会社の社長は兼務できないということで、小生に名目上の代表取締役に就任してほしいという依頼があり、私も仕掛け人の一人として断るわけにいかず了解しました。福地さんは塾長という立場で運営にあたることにしました。

しかしいくら名目上といえど、まったく経営内容も知らず放置することもできないので、毎月一度”講師会議”という名目で、取締役会に代わる会合を開いてもらい運営内容の把握に努めました。この塾の特徴はITやロボットの講義だけでなく、英語、国語(作文)、算数、理科といった、プログラムを作るうえで必要な教科も併せて教育する体制をとっていることでした


 ある時、一人の生徒のお母さんから、子供が通学している中学校の校長先生から直接おたづねがあり、そのお子さんが最近急に全教科に渡り成績が上がったが、何か特別の勉強をさせているか、という質問があった、という知らせがありました。お母さんは別に特別の教育はしてませんが、ただITロボット塾に通わせています、という返事をされたそうです。

塾ではこの知らせについて議論しましたが、上記のようにほかの教科も教えていることが良かったのではないかという意見と、特に、国語の作文が生徒の思考力を養うのによかったのではないかという意見がありました。国語の作文は生徒には嫌われがちですが、毎回やっているうちに、かなり文章を作る能力が高まってくることが示されていました。この事はコンピュータのプログラムを作るうえで重要な能力となります。プログラムというと一般的には理数系の能力ととらえがちですが、実際は一種の作文で、文章をまとめる力がある人が好いプログラムを作ります。

この事があって、全生徒の父兄にアンケートを取ったところ、それほど極端ではないけれど、多かれ少なかれロボット塾に通うようになってから学校の成績が上がったという回答が寄せられました。

一見順調だった塾経営は、講師会議で私も申し上げたいことは言いつくした感があり3年前から、出席をしなくなりました。また塾長として実際の運営を担当した福地さんも、本業のCIAメディア社で新たに開発をした英会話ロボットの仕事に追われ、塾は講師任せの状態になり、結果的に経営的に行き詰まり状態になり、どのように再生するか臨時株主総会が開催され対応策が検討されました。


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