かめらーた浜松第6回

 去る4月6日、楽器工房ホールで開催された、浜松フィル登録団員の若手を軸に編成されている、室内管弦楽団〝かめらーた”の第6回の定期演奏に招かれ拝聴した。

 私は、第4回から聞かせていただいているが、回を追って進歩していると感じた。演奏の表情も以前に比べれば豊かなものとなってきた。

 演奏内容は、第一曲目の弦楽4重奏は、矢張り出だしの緊張からか少しボウイングが上ずっている感じもしたが、第3楽章あたりからハーモニーが出てきていたように思う。ただ私の席の前にノッポ女とチビ男のコンビが座り、〝写真撮影はご遠慮ください”というアナウンス直後から写真を撮りまくって、ノッポ女は何枚かは手を思い切り高く伸ばしてとっていたし、チビ男は体をあちこち動きまわし、いろいろな角度から舞台を覗き、音楽鑑賞に来ているとは思えない振る舞いであった。このため気が散って集中できなかった。

 翌日の中日新聞に、彼らがとったと思われる写真が出ていたので、ひょっとしたら新聞記者だったかも・・つまり写真をとることを許されている人だったかもしれないが、それにしても、席に座っての非常識な態度であった。チビ男の横に座っていた方も多いに迷惑しているようであった。

 幸いなことに、この二人は、途中の休憩時間にそそくさと帰って行った。なんだったのだろう?

 演奏の方は最後のプログラムになり7名編成の弦楽曲であった。このとき始めからずっと演奏をしていた男性2名(チェロとバイオリン)が大変に熱演され、特に最後の2楽章は、後から加わった、女性若手のバイオリンも彼らに引っ張られ大変良いハーモニーとなり、私自身おもわず演奏にひきまれていた。他の聴衆も集中して聴いていたようだ。終わって聴衆の拍手も気持ちのこもったものになっていました。

 弦楽器は本来いわゆる”倍音”が多くこれが”非可聴音”として耳からでなく皮膚や骨を通して脳に響く。このとき耳から入ってくる奇麗な音に脳の報酬系と呼ばれる神経(幸福感)がが刺激されて、この体から入ってくる響き(振動)と合体した時、感動が生まれると考えられています。スーパーオーディオはこの音が出ます。しかしある程度の音量が出ないと効果が薄いと思われます。

 また、スーパーオーディオにない視覚的な刺激もこの最後の方は自然に出ている体中を使って演奏された、特に男性二人の熱演は聴衆を魅了するものであったし、メンバー同士の〝掛け合い”もかなり良く出ていました。

 プログラム最初の曲でも以前に比べれば表情のあるものにはなっていましたがやや意識的で、自然に出てくるものとはまだ距離がありました。

 しかしこの最後の部分を見てこれが始めから出るようになれば、充分プロ室内楽団としてやっていける可能性を感じました。

 出だしは演奏前のマインドコントロールをどうするかが重要ではないかと感じています。つまり気持ちを楽にしながら集中する工夫がいるのではないかと思います。一つの方法は、出番前に姿勢を正して禅の呼吸法、2秒ぐらいで息を吸って7から8秒掛けて口を薄く開けて息をゆっくり吐く(鼻からは出さない)というようなことも必要です。

 自分の集中力を、頭を空にして、おへその下(臍下丹田)において体はリラックスするということができると、最初からよい音が出るかもしれません。最後にあれだけの演奏ができるなら、最初から出るようになれば一人前と言えるのではないでしょうか。今後の精進が楽しみです。


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