橋下大阪市長の“維新の会”に疑問

 橋下大阪市長は、“日本維新の会”と言う名のもとに政界進出を図っているが彼の主張に次の2点で疑問が残る。

その1.首相の直接選挙について。
 彼は首相を国民の直接選挙で選出すると言っています。こうなると現在の首相が形式的にもせよ、天皇の認証を受けることになっていますがこれが難しくなります。現状ではこの認証により、国民の目や外国からすると”日本の元首は天皇”と言う印象を与えています。
 事実、猫の目の用に替わっている、日本の首相でありながら国民が混乱もなく比較的冷静でいられるのは、”天皇”の存在が一つの安定感を国民に与えている効果を持っていると考えています。

 ところが首相の直接選挙となると、国民が選んだものを、改めて”天皇”の認証を得ると言うことは、形式的に成り立たなくなり、天皇の存在が政治的に完全に否定されることになります。
 もしそうなれば、多くの国民の敬愛している現天皇の立ち位置が不安定となり、国民の間に大きな不安感が広まりかねません。

 わが国民は無意識のうちに元首天皇に心のよりどころを求めているように思いますので、この立場が変えることはよほどの覚悟が必要です。
 かってマッカーサーが進駐した時、日本人の心情の中に深く根ざした、”天皇”への敬愛に気付き、天皇制を残したと言われています。首相の直接選挙が、この問題とどのように絡むか、今のところ何の説明がないのは、”鈍感”で安易な政策と言わざるをえません。


その2.参議院の廃止について。
 現状の参議院が、あまり本来期待している役割を果たしていない現状は認めますが、かといって求められている”良識の府”が不要になったわけではありません。現在の選挙制度の中で”良識の府”の実現が困難なことも分かります。
 しかし衆議院を250人としてその多数党がすべてを決めれると言うことは下手をすると”独裁”政治を導きかねません。
 このため、国民の直接の声をこの参議院の代わりにすることを考えていくべきだと思います。今後ネット社会の進展は、より多くの人の意見を短時日に集め集約することが可能となります。前にもこのブログで書きましたが(議会制民主主義の曲がり角)まず国民情報省と言うべきものを作りインターネットによる意見集約(インターネットを使えない人はFAX,手紙)を大がかりに行い、国民どうしの議論も進めその中から”良識”(必ずしも多数意見でなくてよい)を導き出すシステムを作り、これがうまく機能した時点で、参議院を廃止し”国民情報院”として運用することを考えるべきだと思います。
 こうすることにより”政治の金離れ”を実現し”良識の府”の確立を図り、一院制の暴走に歯止めを掛けることを図るべきです。
橋下氏は自分ではすでに”ツイッター”を多用しているようですから、ネットの威力は十分御存じのことと思います。

 大阪市民は、性急な橋下市長の行動に歯止めをかけ、まず大阪市長としての実力を見極めるべきです。何人かの国会議員がこの“日本維新の会”合流するようですが、これらの点を考慮していないのは所詮”浅慮の輩”で取るに足りません。
 


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この記事へのコメント
今日は好き勝手なコメントばかりで申し訳ないです。

橋本大阪市長には、彼が大阪府知事になった頃は大いに期待していました。

最近はただ、「下品」で「未熟」な政治家という印象だけでした。

確かにそれだけでなく、「鈍感」で「安易」な部分も大きいですね。

三拍子どころか、四拍子欠けた人を一時でも応援した事が、今は少し恥ずかしい気持ちです。
Posted by 秋山雅弘 at 2014年07月17日 10:54
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