量子コンピューターImPACTワークショップ

量子コンピューター

      量子コンピューターImPACTワークショップ

 昨年(2017)2月に、ImPACT山本先生にご講演をいただき、難しいお話でしたがそれなりの期待感を持って拝聴し、新しいICTの進展に希望を膨らませ、これをこのブログに投稿しましたところ多数うの方のアクセスをいただきました。

 その後、この山本プロジェクトに対し、”あれは本物の量子コンピューターではない”という批判が専門外の一般新聞まで巻き込んで、まがい物扱いの批判がが氾濫し、私の推薦で浜松ソフト産業協会主催のシンポジウムにお招きした手前、其の信憑性に責任を感じていました。

 そこでこの度、3日間に渡り(3月27日から29日まで)JST東京本部別館で第4回のImPACT山本プログラム主催のワークショップがあったので、初日だけ参加させていただいて現状把握に努めました。

 もとより、量子力学に関する十分な知見を持たない小生にとって、ここの具体的な内容は把握困難な世界でありましたが、発表者の自信に満ちた発表や節々に理解できる量子コンピューターでの多様性は理解でき、いわゆる”まがい物扱い”をする主たる論点がプロセッシング部分に古典的技法が含まれているため、この部分に量子的取扱いができていないから量子コンピューターとは言えないという、いかにも狭視野な”専門家”が眦上げて非難していることと理解した。

 事業的視点に立つなら、今回の量子的入力処理を、一般のクラウドに組み込み、利用者が特に量子コンピュータの知見無くして使用できる環境は素晴らしいものであり、実用性は極めて高いと思われます。本年は現在の400万並列演算を、一気に100億並列演算に持ち込むというから、人工知能や複雑で処理に時間がかかりすぎる案件には、即、活用できると考えられます。

 狭義の意味での”量子コンピューター”では、一般のIT技術者が”Qビット”と呼ばれる量子コンピューターの基本信号の理解ができず其のインタフェースなどを手がけるのは困難を極め産業用への導入は、たとえ出来たとしても遅々たるものになると考えられます。

 広義の意味では今回のImPACTの成果は、入力部は少なくとも量子化されており、量子コンピューター時代の先駆けとして位置付けるべきものだと思います。
また、本年に100億の並列演算可能ということであれば、本当の意味での”人工知能”開発が加速され、これを含んだクラウドの実用化は数年のうちに広がるだろうという予感があります。

 ”量子コンピューター”というと、一般のIT技術者はそんなものは到底使う能力がないと、敬遠してしまいますが、クラウドの中に量子コンピューターが組み込まれ、現状のデータを通常の言語(C)で送れば、クラウド側が並列演算が必要かどうかを認識して、用意されたインターフェースを通じで高速処理をして、その後元の言語に直して結果を知らせてくれるということだから、要するに量子コンピューターの部分をブラックボックスとして扱えば、なんの難しさもなく活用できるわけです。

 この意味においては、”本物量子コンピューター”より産業用としては、はるかに優れたものになります。一般紙まで巻き込んだ”偽物”キャンペーンはこのImPACTプロッジェクトから外れている”本物”研究者が、これが先行されては自分たちの立つ瀬がなくなることを恐れて、あまり知識のない一般紙を焚きつけて潰しにかかったとも考えられます。

 山本先生もこうした”狭量”な議論に巻き込まれるよりは、あっさり”本物”でないことを認め実用化を急いだ方が良いと判断されたのではないかと推測しています。IT技術者は、新しいクラウドサービスと気軽に考えて、活用してみることをお勧めします。
                                                             以上


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