菅総理の要望と中電の決断に敬意

 今回の管総理大臣の中部電力に対する浜岡原発の休止要望に対して、中部電力がこれを決断したことに高い評価をしたい。
 
 3.11の福島原発の事故以来、中部電力はいち早く安全対策を発表したが、地元民は納得せず、また中部電力自体も、今だ福島原発の事故の全容がつかめないところで、苦し紛れの対策に”万全”の言葉を力強く宣言できるほど自信のある中身ではなかったと推測されます。私もあのつけ刃的対策は評価できませんでした。
ある意味では中部電力もこうした”外圧”を待っていたのが本心ではないでしょうか。

 経団連の会長は、”菅総理の発言は、いつも結論だけポロリと出てきてその途中経過がまるでわからないから困る”とぼやかれていましたが、これは鈍感な発言だと思います。これまでの経過を見れば、予想される東海地震を控えた浜丘で、万全の対策を講ずるのは当たり前のことであり、また国際的に原子力の安全が再検討される気運の中で、率先して万全の安全対策を本気やることは今後の日本の国際的地位の確立にも不可欠のことだと考えます。

 こうした中で、スズキの社長がこれを受け入れざるを得ないというコメントを出されたのは、大局に立った発言と受け止めています。

 かっての“オイルショック”の折、円高が急激に進み、日本経済が壊滅するという話が経済界から悲鳴のように上がりました。しかしその後燃費の良い日本車は米国で売り上げを急増しかえって日本経済は発展しました。このように経済環境の変化は、新たな市場を生み出す力があり、マンネリに陥っている日本企業が再び、全従業員と一体となってこの状況に挑戦すれば、新たな国際経済をリードするまたとないチャンスが巡ってくると考えます。否応なしにやってきた、この抜き差しならない省エネ環境は、新たな産業の揺りかごです。皆様方のご健闘を祈ります。

 


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